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  • 2011.05.11 Wednesday
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『99のなみだ』

編著/リンダブックス編集部
(泰文堂)

……………
涙を誘う短編集。
まんまとのっかり、大号泣でした。
泣きたい時に泣ける本。

『容疑者Xの献身』

著者/東野圭吾
(文藝春秋)

……………
人は愛する人のために、どれだけ自分を犠牲にできるのだろう。
巧妙なトリック。幾何とみせかけて実は関数。ミステリーとして最高の設定であると同時に、苦しいほどの『愛』への問いかけ。

罪はきっと、誰も幸せにできない。
例えXが、自分の身を全て捧げたとしても。

『長い長い殺人』

著者/宮部みゆき
(光文社)

……………
長い長い殺人。それを語るのは、数々の財布。
犯人がわかっている様で決定的ではない。財布が語り部だからこそ、肝心な証拠が見えてこない。でも物語の端々でそれがゆっくり見えてくる。
斬新、かつ、圧巻の大作。

『手紙』

著者/東野圭吾
(文藝春秋)

……………
今まで小説を読んでいて、自分なりの結論が出なかったことは多分ない。でも今回、それが出せなかった。
誰が悪いとか悪くないとか、それは結局は一面的なもので、多面的に見ればそれは一概には言えなくなる。
じゃあ誰を恨めばいいのか。誰に対して償えばいいのか。そもそも、償いと自己満足の境界線は何なのか…。
綺麗事を何一つ書いていない。それこそが、この小説の素晴らしさだと思う。

『床下仙人』

著者/原宏一
(祥伝社)

……………
女性の立場なら、普通は憤りを覚えてしまう男性社会かもしれない。でもあたしにはどうしても、この登場人物達が悪いとは思えない。逆に理解の足りない女性(特に表題作)に憤りを覚えてしまうのは、あたしがまだ、子どもだからだろうか。

『優しい音楽』

著者/瀬尾まいこ
(双葉文庫)

……………
瀬尾さんの魅力全開の傑作短編集。瀬尾さんの作品には、嫌いな人物がいない。どんなに嫌な奴でも悪い奴でも、悪人ではないのだ。
優しくなれる。心が温かくなる。幸せになれる。
瀬尾さんの世界は、本当にそんなところ。

『夏と花火と私の死体』

著者/乙一
(集英社)

……………
流石、乙一。
彼の原点の作品は、あまりにも単調で、巧妙で、懐かしくもあり、そして、怖い。
美しい田舎の田園風景とは不釣り合いな『私』の死体。
これは完璧な、人間の紡ぎ出すホラー。

『つきのふね』

著者/森絵都
(角川書店)

……………
人間はとっても壊れやすいものだけど、それでも最後に救えるのは、人間だけなんだ。
優しさとか、愛とか、そんな崇高なものじゃなくてもいい。
ただ『会いたい』。
そんな気持ちだけで。

『ベヴンリー・ブルー』

著者/村山由佳
(集英社)

……………
『天使の卵』『天使の梯子』に続く総集編の様な本作。
誰もに気持ちがあって、決して誰もが悪いわけじゃないんだ。
自分を責めることは、時に自分を赦すことにも繋がる。
それは一番悲しい、懺悔。

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』

著者/森絵都
(角川書店)

……………
すごく優しいんだけど、リアルがあるから胸にくっとくる作品集。
人間の醜さすらほんわりと感じる。チョコレートに包まれたアーモンドみたいに。

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